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今月の特集

19回目

第19回 ブリスベンの建築家、大村洋平さん

第19回 ブリスベンの建築家、大村洋平さん

『オーストラリアで頑張る日本人のWA』第十九回は、ブリスベンで建築家として様々な活動をされている、大村洋平さんです。

今回、初試みといたしまして、動画取材を敢行いたしました!

ケアンズでナレーターやイベントMCとして活躍されているH.K Narrator & MCのひさこさんが、大村さんにインタビューして下さいました。

動画は、インタビュー記事の最後に添付しています。
インタビュー記事と合わせて、ぜひご覧になられてみて下さい。

それでは、大村さんのインタビュー記事をご覧下さいface29

インタビュー スタート!


豪人スタッフ(以下豪)>大村さん、はじめまして!
ももさんからのご紹介ということで、インタビューにお応えいただきありがとうございます。

早速なのですが、まずはオーストラリアに来られた時期はいつ頃ですか?

大村さん>はじめまして。
初めて来たのは2004年です。
クイーンズランド大学建築学部(University of Queensland)就学のために来豪しました。

豪>大学入学のためにいらしたのですね。
いきなりオーストラリアの大学、というのに抵抗はありませんでしたか?

大村さん>それまで人生の半分を大阪、もう半分を香港という過密した大都市で過ごしていて少し窮屈に感じていたので、いろいろなものから少し距離があるところに住みたいと考えていました。

また、既に海外に暮らしていた経験の延長としてというのがありました。

正直なところオーストラリアに対しては漠然としたイメージしかなったのですが、あとあと考えるといい選択だったのかもしれません。(笑)

今はブリスベンというところにいるのですが、ここにはクイーンズランダーと呼ばれる高床式木造住宅が都市の大部分を占めていて、大きな裏庭があり、家庭菜園をしていたり、DIYでいろいろ工作したり、半外部のベランダ空間でゆっくり過ごしていたり・・・。
それまでそういった生活をしていなかったので、みなさん本当に豊かな暮らしを営んでいると感じます。

住み始めてから後々気づいたことですが、日本、香港、オーストラリアというのは距離的には離れていますが時差もなく経度の縦線でほとんど繋がっていてそういう意味ではすごく近い場所にあるんだなということです。

また、日本の都市もほとんどが木造の戸建て住宅で形成されています。
そういう意味でも相互に学べることがあるのではと思います。


ブリスベンの裏庭



豪>なるほど。香港での在住経験もお有りだったのですね。
オーストラリアを選ばれたのは偶然かも知れませんが、建築という観点から見ると、日本とも香港とも違っていて、学びも多いのですね。

現在は、ブリスベンにお住まいということですが、これまで行かれたオーストラリア国内の都市を教えていただけますか?

大村さん>住んだのはブリスベンのみですが、その中で引っ越しは10回位しています。
様々な住環境に興味があるので引越しは好きです。

東海岸の都市(Sydney, Melbourne, Adelaide)には建築会議(Architectural Conference)が毎年行われたり、イベントがあったりもするので毎年行っています。
また、クイーンズランド大学で教えているときは地方都市のRomaやTownsvilleにも学生たちと一緒に行って現地調査を行ったりしています。
まだ西海岸の方には行ったことがないのでいつか行ければとは思っています。

豪>すべてが建築を基本として生活されているのだな~と感じました。

ところで、日本へはどれくらいの頻度で帰国されていらっしゃいますか?

大村さん>年に1、2度。父親と妹は今も香港に住んでいるので2年に1回は香港にも行きます。
個人的に旅が好きなのでそれ以外にもいろいろぶらぶら行きました。

豪>日本、香港と故郷が2つあるような感じですね!
今後は、その中にオーストラリアも入るのかも知れませんねface01


お仕事についてお尋ねしてみました


豪>これまでにされたお仕事をできる範囲で教えて下さい。

大村さん>日本でも少しの間働いていたのですが、2012年からブリスベンの建築設計事務所、phorm architecture + designに勤めています。
小さな事務所で個人住宅の設計が主ですが、都市計画、店舗設計、展覧会設計設営など求められるのであればなんでもします(笑)。
また、主宰のPaul Hotstonとはクイーンズランド大学で建築設計のスタジオで教えています。

2012年 ヴェネチア・ビエンナーレ 建築展 Anupama Kundoo Wall House 1:1 設営 (UQ大学院在席時担当)

2013年 Ayr_ サトウキビ畑の家 (Phorm A+D 担当)

2014年 Buderem_ Red Soil House (Phorm A+D 担当)
*Architecture Media出版Houses Magazine 113号掲載

2015年 ハミルトンの住居 (タトアーキテクツ/島田陽 (日本・神戸)とPhorm A+D共同設計 担当) *2016 Australian Institute of Architects, National Commendation受賞
 *Architecture Media出版Houses Magazine 113号掲載
 *GA出版(日本)のGA HOUSES 150号掲載
 *新建築社 住宅特集 2017年1月号掲載

2016年 タリンガのツリーハウス (Phorm A+D 担当)
 *Architecture Media出版Houses Magazine 113号掲載
 *GA出版 GA HOUSES 150号掲載

住宅の設計はブリスベンのみならず、Gold Coast Sunshine Coastや Northern New South Wales, North QueenslandやまたVictoria州でもありました。

また、稀有な機会でしたが神戸の設計事務所と共同でブリスベンの住宅を設計した後、去年竣工いたしました。

我々の手がける住宅の多くはオーストラリアの基準では比較的小さく、低予算のものが多いのですが、クライアントの方は住まうことに何かしらのビジョンを持っています。
そういった中でクライアントの要望に答えながら、その土地の文脈を考え、まちに対して新たな気づきや問いを立て、そこに住む人だけではなく、取り巻く環境もいきいきするような建築を常に設計していきたいと考えています。


ハミルトンの住居(2015)、現場




タリンガのツリーハウス(2016)、現場



豪>2012年からということですが、4年間で様々な案件を完成されていて、素晴らしいキャリアを積まれていらしゃるのですね。

小さな事務所、とおっしゃってますが、クライアントさん一人ひとりと向き合える環境が、大村さんの経験を豊かにして行くのにピッタリなのかも知れませんね。

では、お仕事でも趣味でも、何か現在気になっていることはありますか?

大村さん>建築の設計はもちろんですが、大学で教えている設計スタジオにも大変興味があります。


クイーンズランド州Romaにある南半球最大の家畜市場、大学生とのリサーチの一環で訪れる



豪>「設計スタジオ」と言うのは、具体的にはどういうものなのですか?

大村さん>我々の教えているスタジオでは主に内陸にあるRomaや湾岸都市のTownsvilleといった主要都市からは離れた場所を主題としています。

そういった場所は日本と同じように高齢化、過疎化、労働力の減少などによる人口の低下、既存産業の衰退の問題がある一方で、天然ガス、鉱物などの資源を求めて大企業が進出しFly‐In‐Fly‐Outと呼ばれる短期労働者が町の大半を占めているというのが現状です。

ここでの問題は現在その資源のある限りは(大企業の支援がある時点では)インフラ整備は整っているかもしれませんが、資源が尽きたあとにその町に何が残るかです。

地方産業というのはオーストラリアの中でも希少ですからそれがなくなると海外からの輸入に頼らざるを得ない。

その場所にもともとあった産業、風土、都市計画、教育などを主題に事前にリサーチをしていくつかの仮説を立てます。

その後に現地でさらにリサーチをして住民、役所と大学生の間でワークショップをして、その場所の現状や将来のためになにが必要なのかを議論します。
その中から設計の主題をあぶり出し設計の後に現地でプレゼンをするんです。

また設計の成果を現地で展示することで、議論されていた内容がどのようにに具体化されたかすべての人にわかりやすい形で訴えかける。

現時点では学生が設計したプロジェクトが実現する、というのはなかなか難しいのですが、我々のような外部の人間がそういった場を設け、現地の人を交えて可能性の種をまくというのが必要だと感じています。

これに関しては我々建築家だけで動いても何も実現されませんから、住民の方々、役所、地主、ディベロッパー、企業、他分野の研究者も絡めて実現可能な形を模索していきたいと思います。また大切なことはより多くの人々に参加していただいて議論をすることによって、その町に対して自信を持っていただく、その町にいることに意欲を感じてもらうことだと思います。


(左)ワークショップの様子、(右)設計スタジオの展覧会を現地で行う



豪>大規模な展開が必要かも知れませんが、大村さん達がされているような活動の一つ一つの積み重ねによって、実現されて行くことを願っています。

何か、大村さんのお仕事や活動が分かるようなウェブサイトはございますか?

大村さん>前述の雑誌に担当した住宅プロジェクトが掲載されています。ご興味のある方はぜひご覧ください。





また、設計のご依頼は下記のホームページ、メールまでドシドシお待ちしております。(笑)
http://www.phorm.com.au/
phorm@phorm.com.au
yohei.omura@gmail.com


最後に豪人.comを見ている方々に一言!


大村さん>建築やまちづくりはその土地の文化、歴史、経済、気候、地形、自然などの多様な環境によって形成されるもので・・・すごく複雑です。(笑)
でもそれが奥深くて興味が尽きません。

また、どんな小さな建築でも数多くの人の手が掛かってやっと出来上がるものです。
クライアント、都市計画、構造家、大工さん、建具屋さん、水道工事屋さん、電気屋さん、家具職人、造園家・・・自分の書いた図面や模型をもとにそういった人たちと一緒に作り上げるという過程、そして出来上がった建築から新たな生活が始まる。
ものすごい長いプロセスですが、その喜びを知ってしまったら病み付きになります。 
 
ぜひご興味のある方はご連絡ください。


インタビューを終えて



それではここで、動画インタビューをご紹介致します。



前述の記事は、動画インタビューを書き起こししたのではないので、文面と実際にお話されていることが違っている部分もあるかも知れませんが、両方とも大村さんご自身のお言葉です。

それぞれの印象や内容を、楽しんでいただければと思います。

今回、書面と動画のダブルで取材に応じて下さった大村さん。
お人柄が記事で伝われば、、、と思います。

大村さん、ありがとうございました!!



◎phorm architecture + design
http://www.phorm.com.au/
phorm@phorm.com.au
yohei.omura@gmail.com



次回は大村さんからのご紹介でステキな方にインタビューさせて頂きます。
お楽しみにface29




Posted by 豪人 2017年01月10日

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第19回 ブリスベンの建築家、大村洋平さん